ロベルト家の暗殺者として何の感情も持たないまま生きてきたラオンだったが、人生の終わりは当主デルスに殺されてしまうという無残な最後が待っていた。 今際の際、デルスへの憤怒と復讐心を抱きながら人生の幕を閉じた──はずだった。 しかし、再び目を開けると前世の記憶を持ったまま大陸最強であるジークハルト家の末っ子として転生していた。 母シルビアから一心に愛情を受け幼少期を過ごすが、前世の復讐を決して忘れてはいない。 前世の能力＜炎の輪＞とジークハルト家の剣術があれば、デルスに復讐を果たすことも夢ではない。 新しく得た人生ラオン・ジークハルトとして、愛情を注いでくれる母のため、前世の復讐のため、再び剣を握る。